いま話題のあれこれ(17) Kindle Comic Creator 

■Kindle Comic Creatorとは

Kindle向け電子ブックを制作するうえで、HTMLの知識無しで電子ブックを制作可能にするツールです。ただし、漫画やビジュアルブックなど、文字組や体裁をほとんど気にしない種類の書籍に絞ってます。機能は限定、制作可能な形式もKindle向け択一、なかなか潔い仕様ですが、無料ですし、細かいことは言わずに使ってみましょう。

▼Kindle Publisher Tools

アマゾンの用意したKindle用電子ブック制作ツールは幾つか存在します。どれもフリー、無料ですよ。

Kindle Direct Publishing ヘルプ内「本を用意する/KDPツールとリソース」
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=1000249676

こちらが現在公開されているツールとその説明です。

Kindleパブリッシング・ガイドライン(Amazon Kindle出版ガイドライン)
http://kindlegen.s3.amazonaws.com/AmazonKindlePublishingGuidelines_JP.pdf

アマゾンの公開している制作マニュアルで技術的な説明が大半を占めています。9章の「登録前のテスト」と10章の「登録前の確認事項」は短いですが出版物としてデータを制作するにあたって必要不可欠な部分ですし、目を通しておくことを強くオススメします。技術的な話はありませんから安心して読んだってください。

Amazon Kindle出版ガイドライン補足資料
http://kindlegen.s3.amazonaws.com/AmazonKindlePublishingGuidelines_JP_appendix.pdf

日本語のKindle用データを作る際の追加資料です。縦組みや奥付など体裁を本に似せるためのWeb系技術の用例集ですが、索引というか目次が付いてません。読みづらいです。もー!

KindleGen v2.9

HTMLデータをKindle用データへ変換するツールですがウェブ関係者用なので、紙媒体関係者には縁がないツールかもしれません。

Kindle プレビューア(Kindle Previewer)

見た目も機能もほぼブラウザの、プレビュー用ツールです。再生をシミュレートする対象として読書用白黒端末、タブレット系カラー液晶端末、iOS機を選択可能で、機種の差は解像度の変更で対応します。実機があればそれを使う方がいいんじゃないでしょうか。

Kindle Plugin for Adobe InDesign(英仏独伊西語向け)
http://www.amazon.com/gp/feature.html/?docId=1000765271

ベータ版として用意されているInDesign用プラグインですが「雑誌のレイアウト開いてこのプラグイン使えばなんでもOK! やったね!」といったステキなものではなく、それなりの体裁でKindle形式へ変換してくれるツールです。今のところはこのプラグインでInDesign使うより、Word使うほうが再現性高いんじゃないでしょうか。

Kindle Comic Creator
http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=3077699036

Kindle本に必要最低限な書誌情報、表紙画像と本文画像を用意すればKindle用データが制作できるツールです。画像だけで作品が成立する、漫画や写真集用ですね。
Kindle本の制作にはHTMLでも簡単な機能しか使わなく良い、といってもやはり取っつきにくかったというところでしょうか。

▼ダウンロード

http://www.amazon.co.jp/gp/feature.html?ie=UTF8&docId=3077699036

対応OSはWindowsXPと7、OSXは10.6以降です。サイズは約200MB強。
どうせ画像しか扱わないですし無料ですしマシンパワーも要りませんから、気にせずインストールしちゃえば良いんじゃないでしょうか。

▼KC2の保存形式KF8/mobi

Kindle Comic Creatorから作られるデータ形式はKindle Format 8、略してKF8。2年前に公開、アマゾンに導入されました。

それまでは前世紀に設計、開発された、小説など文字モノのみを想定していたMobi形式を使っていましたが、ウェブ系のデザイン、フォーマット機能を追加した形式に切り替えたわけです。構造としてはEPUB3と仕組みは似ていますし、Kindle以外でもEPUB対応ビューアなら大抵はそのまま読めます。

ちなみにKF8でも拡張子は.mobiのママなので、見た目は変わらないよーな

■Kindle Comic Creator(KC2)の使い方

▼ユーザガイドの読み方

ユーザマニュアルはこちら。Kindleパブリッシング・ガイドラインとくらべてなんと短いことか!
http://kc2.s3.amazonaws.com/KC2UserGuide_ja.pdf
4章立てで構成され、1章は書誌情報の入力、2章はKindleパネルを使用した制作、3章はKindleパネルを使用しない制作、4章はツールバーなど表示の説明です。

Kindleパネルは…アレですよ、ケイタイコミックのようにコマを切って動かしたりタップで部分拡大させたりテキストを追加したりの、簡単なギミックです。画像を弄らないなら2章はすっ飛ばして、1章と3章だけでOK、というか、読まずに進めて困ったら読むぐらいでも大丈夫のサッパリ感です。

▼準備と下ごしらえ

KC2で使えるのは画像とテキスト両方ですがテキストはオマケというか、焼肉食ったあとにレジで貰う飴ちゃんぐらいの扱いなので、画像だけと考えたってください。というか、テキスト周りの処理、操作をざっくり切り落とすことで、シンプルな操作性を手に入れているわけでしてホラ。

使える画像、データの種類は以下の5種類です。モノクロ2階調だろうとグレーだろうとがっつり食っちゃいますが、ムリヤリRGBに変えますのでモアレ云々の話は事前にやっとかないとダメっすね。

  • PDF:単ページでも連続したページでも食います。1ページ1画像で割り当てますよ
  • JPEG:言わずとしれたJPEGです。
  • TIFF:言わずとしれたTIFです。読み込む際、なにかしら警告が出るかもしれませんがそのままスルーできることがほとんど。
  • PNG:これもウェブで使われる形式です。JPEGやTIFFは印刷用データで使わなくもないですが、PNGは完全にウェブ用ですね。
  • PPM:UNIXやLinuxなどサーバ系OSで使われる画像形式です。印刷やウェブの分野では縁が無いですが、技術文書、学術文書で使われてます。そういった文書の電子ブック化に必要というところです
  • ※EPUB:読みこめますが、文字が多いとその手の処理でエラー吐いて死んだりします。画像だけで構成されるEPUBをKindle形式に落とし込む用と考えたってください

解像度は、想定にするKindleの表示解像度に合わせて変換されます。モノクロ二階調1200dpiの漫画も、(縦長レイアウトなら)縦1200ピクセル横なりゆきに! あ、解像度は96ppi(pixel per inch)ですね。モアレとか知ったこっちゃありません。
なので、公開するデータをタブレット(Kindle Fire)か読書端末(Kindle Paperwhite)のどちらかに絞った方が良いと思います多分。

印刷媒体向けに制作された漫画原稿とKindle FireやKindle Paperwhite、またKindleアプリの動くスマホやタブレットの縦横比はかなり違うので、トリミングも先にやっておかないとアカンですよ。つっても、もう収集つかないぐらい縦横比がぐっちゃぐちゃなので、あきらめも大事です。

▼操作方法

KC2をダウンロードしてインストールはお済みですね? さっそくKC2を起動しましょう。(画像はすべてWindows7)

KC2スタート!

左は作ったデータ、右は新規制作です。このスタート画面(というかロゴ)、左がKindleのビューアアイコンで、右が制作ツールアイコンって感じがしてなんか戸惑います。

KC2NewBook1

言語を選ぶと下のボタンのグレーアウトが消え、選択可能となります。縦横置き、左右開きに応じて解像度が自動入力されます。解像度上限は今のところ800×1280(縦横入れ替え)。Kindleパネルはいわゆる携帯コミックのような動きを付けるかどうか。今回は付けないで行きます。

KC2 書誌情報1

出版社以外は必須入力で日本語OK。保存場所以外は制作中に変更可能なので、とりあえずダミーでも問題ありません。

書誌情報詳細

「詳細設定」は未入力でもOKです。目次はHTMLファイルとして別制作して読み込み、仮想パネル(マニュアルではバーチャルパネル)は大きい画像の表示順の設定です。

ダミーで入力

なにかしら入力すると、次へ進むことが可能に。

制作画面1

制作画面です。メニューの「表示」でいろいろパネルが出てきますよ。グレーアウトしたメニューは、「Kindleパネル」の有り無しに依存してます。

左上の「ページを追加」から画像を選んで2ページ割り振りました。複数ページのPDFを追加すると、自動で複数ページ割り振ります。

左上の「ページを追加」から画像を選んで2ページ割り振りました。複数ページのPDFを追加すると、自動で複数ページ割り振ります。

制作画面3

メニューの「ビルド&プレビュー」を選ぶと変換処理が行われ、Kindleプレビューアが立ち上がって擬似的な確認ができます。中央部のメッセージ群を表示したい場合は、メニューの「ツール/表示/コンソール」を選んでください。

エクスポートと保存

完成したらメニューから「KF8ブックとしてエクスポート」を選択して書き出します。

保存先

制作データは最初に決めたフォルダに保存されます。フォルダ直下のmobiファイルは最初にビルド&プレビューした際に生成されたもの。保存したmobiファイルを開くたびに、直下にmobiファイル名のフォルダが増えるのでご注意。バージョン管理には便利なんですけどね。

KC8形式の書き出し

書き出し先は改めて指定しないと、マイドキュメントのKC2用フォルダに保存されて「あれ? どこに行った?」ってことになりますのでご注意を。

アマゾンへの登録については…ここでは良いですよね?

▼目次を作る

あってもなくても問題ありませんが、目次も追加できます。

ただし、HTMLの知識が必要です。使えるHTMLタグはKindleパブリッシング・ガイドラインのP72以降、11.1別表A,Bあたりを参照のこと。リンクは作業用フォルダにある「html」フォルダ内の各ページに貼ってください。画像は「image」フォルダへ。

「目次でどこまで出来るか」は、端末の能力、進化に依存しますので、あとで作り替えるのも手です。ただ、Kindleはいったん端末に落としたデータを自動で書き替えませんので、「あとで差し替えればいいや!」って気持ちは早く捨てたほうが良いと思います。

■三共グラフィックの取り組み

 ウェブサイトや電子書籍も数多くこなしておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

カテゴリー: 用語解説